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レビュー:J2 第16節 vs徳島ヴォルティス [湘南ベルマーレ2012]

湘南 0 - 0 徳島


 
 前節はアウェイで栃木SCと引き分けたが、栃木の松田浩監督は自らの手の内は明かさなかったものの「湘南はここのところどこのチームも対策を練って、うまくやり出したなという感じがする」と語った。勝利から見放されているここ7試合を見ると、なるほどうまく湘南の良さを出させないチームが多いと感じる。
 一方湘南の曹貴裁監督は湘南に対する策に対して「我々がそこを乗り越えて勝ち点3を取っていく第2ステップの時代に入った」と選手に伝えたという。一度J1に昇格したからこそ分かる、チーム全体、選手ひとりひとりの成長を促す発言だ。
 その成長は確実に歩を進めていると実感することができるが、大きく足を上げるまでには至っていない。結果に対する過程にしては苦しい時期だが、ここを乗り越えてこそ大きな結果を得ることができる。

 湘南はボランチの永木亮太がイエローカード累積により出場停止。その永木のポジションには坂本紘司が入ったが、その他にも何人かの選手が入れ替わっている。ディフェンスには昨季徳島にレンタル移籍をしていた島村毅。高山薫の位置には鎌田翔雅。そしてフォワードには前節途中出場からゴールを決めた古橋達弥が、12節甲府戦以来の先発となっている。

 徳島は昨季J2リーグ4位。惜しくもJ1昇格を逃した。その責任を取って美濃部直彦が監督を退任。昨シーズンはモンティディオ山形で指揮をとっていた小林伸二が監督に就任した。柿谷曜一郎や佐藤晃大といった主力の退団があったが、鈴木達也や花井聖といった選手を獲得。開幕前にはプレーオフ圏内の6位以内という予想が占めていたものの、15節現在16位と低迷している。

 しかし小林監督は守備面において非常に長けた監督である。湘南は序盤、この守備陣と徳島の “湘南策” に手を焼く。いつものように細かいパスまわしと人数をかける攻撃をしかけるも、ディフェンスラインの4人とミッドフィルダー4人でブロックを作りそのパスをことごとく奪っていく。そして攻撃は2トップの津田知宏とドウグラスに対してのロングボール、あるいは低い位置からのクロスでチャンスを作ろうとする。その2トップの位置は開いた状態、3バックの横にいる場面が多く見受けられた。ただし徳島は攻撃に対して人数を多くかけることはせず、結果的に湘南ボールになることが多かった。
 湘南がチャンスを迎えたのは試合開始20分ほど。右サイドでボールを得た菊池大介がひとりで作り上げた。すでにディフェンダーに囲まれている状態からドリブルを敢行。ふたりを抜き去りペナルティエリア内に進入したところで倒され、PKを得た。攻撃は常にリスクを背負っている。特に湘南は人数を掛けての攻撃が特徴であるが、裏を返せば守備をする人数が少ないというリスクがある。しかしサッカーは得点を奪わなくては勝利は得られない。この場面では菊池ひとりがすべてのリスクを背負っても攻撃した。その姿勢は賞賛に値するものだった。
 しかし遠藤航がけったこのPKを徳島のゴールキーパーオ・スンフンに止められてしまう。その後も徳島は常にブロックを崩さず、湘南はボールを保持しながら徳島ゴールを目指すという構図になる。そして前半終了間際に徳島のカウンターを身を挺して防いだ遠藤が負傷し、ピッチを去った。まだ19歳ながらここまで唯一の全試合出場を果たしていたディフェンスリーダーの退場に、一抹の不安を感じずにはいられなかった。

 後半に入ると湘南は若干攻撃に対する比重が上がる。デフェンスラインも高くなり、ゴール近くまでアタックするシーンが増える。すると逆に守備に対するリスクが大きくなる。ここを突くかたちで徳島は、2トップにボールを入れる。そして59分にはディフェンスラインの裏に抜けたフォワードを止めようと大野和成が倒してしまい、2枚目のイエローカードを受け退場。残り約30分を10人で戦うことになってしまった。
 しかしそれでも徳島は、大きなリスクを背負っての攻撃はしかけてこなかった。ボールを保持しゴール近くまで攻め込んでいても常に4人のディフェンダーとひとりのボランチを残している状態だ。湘南はカウンターを仕掛けても守備に対しては常に安全な方法を選択する。少しでもボールに触れられようものならサイドラインを割らせ、その間にしっかりとブロックを再構築する。これではなかなかゴールまで持ち込むことは難しい。ましては湘南はひとり少ない状況だ。

 試合終了まで攻める湘南、守る徳島の姿勢は変わらないまま終了した。湘南にとってはひとり少ない中でなんとか勝ち点1を得た格好だ。しかし相手が10人であるのに最後までブロックを崩さず、リスクを負った攻撃をしてこなかった徳島に対しても、少なからず疑問を持った試合でもあった。

 前述した菊池だけではなく、古林将太のドリブルを仕掛ける姿勢、馬場賢治の走るプレーはやはり賞賛に値する。その他の選手も少しづつ成長している部分が見受けられる。しかしあえて苦言を呈すのであればゴールキーパーの阿部伸行に対してだ。ひとり少なくなって約5分後。徳島はカウンターから左サイドを攻めあがる。その選手に対してペナルティエリア外で、明らかに身を挺してのディフェンスはいただけない。審判の笛が鳴った瞬間、スタジアムの多くの人がレッドカードを覚悟しただろう。もうひとつは試合終了間際のゴールキックだ。相手の攻撃を凌いでさあ攻めるぞ、という場面でラインを割ってしまう。しかもこれはこの試合に限ったことではない。もちろん時間も迫ってきており難しい位置に入れたいという気持ちは分かるが、同じようなシーンを今季何度も見てきた。選手だけではなく人間は “経験” を得ることで、それが次に生きる。同じことを何度も繰り返すのは、その失敗をただ “体験” しているだけだ。このチームは若く、成長過程にある。すべての選手が同じことを “経験” して成長していかなくては、いい結果は出すことは不可能だ。ひとり取り残されているように見えるところが心配のひとつである。
  誰ひとりとして手を抜いてはいけない。そうでなくては次のステップにはいけないだろう。PKを得たプレーの元をたどれば阿部のキックからだった。全員が良かったところは継続してさらに磨く、悪かったところは改善しなくてはいけない。次のステップへの道程は険しいということを、覚悟して望む必要があるだろう。


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